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プロジェクト計画プロセスにチーム メンバーを参加させるには

プロジェクト計画プロセスを変革し、プロセスの初日からチーム メンバーに関与してもらいましょう。

チームで Dropbox を利用する
プロジェクトに共に取り組むチーム

プロジェクト計画プロセスの重要性

どんなプロジェクトも、着手前にまず計画を立てます。つまり、作業の範囲、スケジュール、必要なリソースなど、プロジェクトを成功に導くために必要なすべてのことを決定するプロセスです。プロジェクトによってはごく短期間で終わることもありますが、大がかりで長期間に及ぶプロジェクトの計画を担当したことのある方は、この計画プロセスがいかに重要であるかをよくご存じでしょう。そのため計画策定は、シニア プロジェクト マネージャーや組織の意思決定者の役割だと思われがちですが、必ずしもそれが正しいとは限りません。

マネージャーが 1 人でプロジェクトの範囲を決定し、それをチーム メンバーに伝える場合、プロジェクトの目標について意思統一を図れなくなる恐れがあります。日々、チーム メンバーと一緒に働いていても、参加メンバーの異なる複数のプロジェクトで全員の足並みを揃えるのは簡単ではありません。ひどい場合には、マネージャーはひたすら 1 人で計画を立て、上から進行をチェックするだけで、チーム メンバーは自分の作業の目的も進捗状況もろくに理解しないまま、個別の指示に従っているだけ、という状況に陥っているかもしれません。

では、プロジェクトの目標とその目標を達成するためのアプローチについて、チーム メンバーと足並みを揃えるにはどうすればよいのでしょうか。最も効果的な方法は、チーム メンバーにプロジェクト計画プロセスに参加してもらうこと、それもプロセスの一番はじめから関与してもらうことです。

チームがプロジェクト計画プロセスに参加する理由

戦略的な計画策定の第一歩として、チーム メンバーを関与させることにはさまざまなメリットがあります。しかもそれは、プロジェクトの期間中だけでなく、マネージャーとチームの将来にとってもメリットになります。

意欲と責任意識を高める

簡単な個別の指示やタスクしか受け取っていないチーム メンバーが、プロジェクトの全体的な目標を理解するのは困難です。この場合、各メンバーは、自分の作業が他のメンバーの作業やプロジェクトの最終成果物にどのような影響を与えるかに意識が及ばなくなってしまうかもしれません。そんなときは、チーム憲章を使ってメンバーの意識をすり合わせ、チームとして共有すべき目標を明確にしましょう。プロジェクト計画プロセスにメンバーを参加させ、メンバー同士で共同作業をし各自の役割を理解するための場を与えれば、メンバーはプロジェクトの全体像を把握しやすくなります。これは、タスクの目的や求められる質を理解するのに役立つだけではありません。プロジェクト全体への関わりを持ち、プロジェクトへの当事者意識を高めるという効果も期待できます。一人ひとりがプロジェクトの成功に責任を負っているという意識を各メンバーに持ってもらえれば、チームの主体性や意欲は格段に高まるはずです。

チーム メンバーのスキルを高める

チーム メンバーは、日常的な作業の質や効率性を高める方法を日々発見しています。しかし、仕事に関わる機会を自ら積極的に探している人もいれば、仕事の幅を広げるために他者からの働きかけを必要としている人もいるでしょう。チーム メンバーにプロジェクト計画プロセスに参加してもらうことは、新たなスキルを試し、習得する機会を提供することにもつながります。つまり、計画の策定という重要な作業を進めながら、メンバーのスキルを開発し、チーム メンバーとして成長する機会を与えることができるのです。メンバーはこの機会を通じて、プロジェクト計画プロセスに欠かせない人材に成長するだけでなく、いずれは他のメンバーをリードし、導くことができるようになります。もちろん、共有体験と相互責任の意識を育むことは、どのような組織文化にとっても有意義なことでしょう。

仕事を任せて効率性を高める

プロジェクトが始まったら、マネージャーはチーム メンバーのスキル レベルに応じて、タスクを各メンバーに振り分けます。そこで、タスクの委任は計画段階で行いましょう。戦略的な計画策定の各ステップをメンバーが理解できた段階で、計画策定の作業を各メンバーに割り振るのです。このようにすると、プロジェクト計画の策定という負担の大きな作業からマネージャーが解放されるだけでなく、作業のスピードがアップするので、プロセスの効率性が飛躍的に向上します。チーム メンバーが普段の作業と同じくらい計画策定の作業に熟練すれば、プロジェクトの計画立案と範囲の決定に要する時間が大幅に短縮されます。ただし、個々の計画策定作業を単純に各メンバーに担当させて、メンバーがチーム内で孤立することのないよう注意が必要です。この作業もコラボレーションとして進めるようにしましょう。

チームによるプロジェクト計画プロセスを構築するには

チームによるプロジェクト計画の策定をコラボレーションとして進めるためには、適切な方法論と戦略が必要です。チームでよりよいプロジェクト計画を策定するためのヒントを以下にご紹介しましょう。

チームでブレインストーミングを行う

戦略的な計画策定の最初のステップとして最も一般的なのは、ブレインストーミングによるアイデア出しです。あなたがプロジェクト マネージャーであるなら、単に門戸を開いておくだけでなく、チーム メンバーを積極的に招き入れる必要があります。今度のプロジェクトについて概要説明を行ったら、初期計画についてチームでブレインストーミングを行うためのスケジュールを設定しましょう。また、ミーティングにプレモータム分析を採り入れることを検討してみてください。プロジェクトの全体像や期待される成果を視覚的に理解できるようになります。あらかじめ出席者に議題を送り、会議の目的を決めておくと、効果的に会議を進めることができます。チームでこのような会議を行うのが初めての場合は、議事録やブレインストーミングのテンプレートを活用しましょう。一定の型が決まっている方が、物事を進めやすくなります。

プロジェクト計画書を作成して共有する

プロジェクト計画プロセスに参加するメンバーが揃ったら、全員で共有するプロジェクト管理計画とプロジェクト計画書を作成しましょう。これらは、チームの全メンバーがプロセスの現在地とこれまでの決定事項を把握するための拠り所となります。この作業はホワイトボードを使って行うこともできますが、プロジェクト管理ソフトウェアや Dropbox Paper などのチーム コラボレーション ツールを使うと、作業を自動化、簡素化できます。Dropbox Paper では、メンバー全員が同じドキュメントでコラボレーションできるほか、ファイルの復元、バージョン履歴、すべての変更記録を管理するレコード マネジメントの機能も組み込まれています。必要に応じて、別の Paper ドキュメントにリンクすることも、計画内容を知る必要のある組織内の別のチームと共有することもできます。

プロジェクト計画やプロジェクト管理のアプローチを利用する

自分のチームに適したプロジェクト計画のアプローチがわからない場合は、特定の目的のために作られたプロジェクト計画やプロジェクト管理のアプローチをいろいろと試してみましょう。たとえば、アジャイル手法による計画アプローチでは、短期間で計画案を作成するためのスプリントのスケジュールを策定し、フィードバックを収集してそれを元に反復的に作業を進めることができます。一方、PERT(プログラム評価とレビューのテクニック)では、プロジェクトの要件を詳しく調査するための包括的な手法が提供され、プロジェクトのマイルストーンやリスクを管理できます。また、ガント チャートやアイゼンハワー マトリックスなどのプロジェクト計画ツールを使えば、確立された方法論に基づいてタスクとプロセスを整理できます。

いずれのアプローチにもそれぞれ固有のメリットがあり、プロセスの複雑さもそれぞれ異なります。最終的に、使用中のアプローチに手を加えるか、別のアプローチに乗り換えるかもしれませんが、メンバー全員をプロジェクト計画プロセスに関与させるためには、やはり方法論に従うのが有効です。

常にコミュニケーションを図る

チームで連携してプロジェクトを実施する場合には、緊密なコミュニケーションが何よりも重要です。ドキュメントの共有も大切ですが、チーム全体でコミュニケーションを図るための適切なチャネルを用意することも欠かせません。Slack などのコミュニケーション ツールでは、チームで意思疎通を図るための専用の場を設けることができ、さらに Dropbox と組み合わせた場合には、Paper ドキュメントやその他のファイルから直接会話を始めることができます。もちろん、チームでミーティングを行うための手段も必要です。Dropbox と Zoom によるビデオ会議を組み合わせると、チームでのコラボレーションと計画内容の検討会議を同時に行うことができます。時差の関係でミーティングに参加できないチーム メンバーがいる場合は、Dropbox Capture を使って自分自身の映像やパソコンの画面を録画した動画を作成し、メンバーと最新情報を共有することで、全員の時間を節約できます。

チーム全体で計画を策定

プロジェクト計画の策定は、プロジェクトの開始前にマネージャーが 1 人で取り組むべきもの、と決まっているわけではありません。チーム メンバーとともにプロジェクトの振り返りを行い、メンバーの意見を新しいプロジェクトの計画に取り込みましょう。計画の策定とプロジェクトの遂行にチーム全体の協力を得ることができれば、プロセスを効率化する以上のメリットがマネージャーとチームにもたらされます。チーム全体で責任を分かち合い、プロジェクトの目標達成に向けたチームの意欲を高めれば、チーム一丸となってよりよい成果を生み出すことができます。プロジェクト計画のためにどのアプローチを採用するにしても、大切なのは、チームによるコラボレーションとしてプロセスに取り組むことです。そうすれば、個々のプロジェクトでこれまで以上の成果を収めることができます。さらに長期的には、チーム、会社、そしてあなた自身にもメリットがもたらされるはずです。