レコード マネジメント(記録管理)とは?
レコード マネジメント(別名レコードキーピング)とは、その名のとおり、組織の記録を安全に整理するためのプロセスのことです。企業の場合、このプロセスは企業の創立から解散まで、全期間を通じて行われます。言い換えれば、保存されているドキュメントには企業の歴史が反映されているということです。ただし、レコード マネジメントとは書類棚に単に文書を並べていくということではありません。適切なレコード マネジメントは、記録の分類、作成、受領、維持管理を行うプロセスの下で行われる必要があります。また、レコードキーピング プロセスでは、組織の記録を安全に破棄または削除することも考慮しておく必要があります。
以下に挙げるのはすべて、レコード管理者による保管を検討すべきドキュメントです。
- 紙の文書またはその他のオフライン形式の記録
- デジタル ドキュメント
- 契約書
- レポート
- 監査
- 証明書
- 電子メール/ソーシャル メディアのメッセージ
- 動画
企業では、上に挙げた記録が日常的に蓄積されていきます。多くの情報から必要なものを選び出して、バイタル レコードとして保存できる調整プロセスを整備する重要性はまさにここにあります。Dropbox は、従来型の記録センターをより効果的で現代的な形にアップデートします。これは、単に「保存」ボタンを押して終わるようなプロセスではありません。保存したファイルは維持管理が必要です。新たに発生する記録を管理するだけでなく、保存した記録の管理もレコード マネジメントの仕事というわけです。
ビジネスがレコード マネジメントを活用すべき理由
一般的な管理という側面以外にも、いくつかの重要な点において、企業はレコード マネジメントを始めるべきです。思いがけない訴訟や告発を受けた場合にも、適切な記録が残されていれば企業を守ることができ、窮地を脱して通常の業務を続けることができるでしょう。利用しなくなった記録に価値がないとは考えないでください。米国で一定期間の保存が義務づけられている種類の記録について、いくつか紹介します。
IRS
米国に拠点を置く場合には特に重要です。IRS からは、税務情報の記録を求められます。この種のバイタル レコードは、少なくとも 4 年間は保存しておくようにしましょう。
公正労働基準法
公正労働基準法(FLSA)では、給与記録の種類に応じて異なる規則が定められています。一般に、3 年以上の保管で十分でしょう。
人事記録
社員が退職してから 6 年間は、人事関連の記録を保管しておく必要があります。これは、退職した社員が実際に仕事をしていたことを証明する重要な書類になりますが、推薦状の作成依頼を受けた場合にも役立ちます。万一のことですが、社員から訴訟を起こされることがあった場合には、これらの記録を証拠に使うことができます。
採用書類
スタッフの採用に関する書類はすべて、約 3 年間は保管すべきでしょう。雇用機会均等委員会では、これらの記録を 1 年以上保管することを求めています。
その他
他にも、自社の安心のために保管しておくと便利な記録もあります。公共料金の領収書、新しいソフトウェアのウェルカム メール、イレギュラーな応募書類なども記録として残しておくのがよいでしょう。
レコード マネジメント システムを導入する方法
レコード マネジメント システムの導入を急ぐ前に、考慮しておくべき重要なポイントを以下に紹介します。これは、取り組みを指揮する担当者と、チーム全員への導入トレーニングが必要になる全社的なプロセスです。効果的なレコード マネジメント システムには、以下の条件が必要です。
レコード マネジメントを担当するシニア レベルのメンバー
この仕事は、人事部門の全員が共同で取り組むものではありません。このプロセスを完全に担当するシニア レベルのメンバー 1 人が必要です。レコード マネジメントは、財務業務と同じくらい重要なものです。たとえば、社員の全員が財務の仕事をするわけではありません。これと同じように、ドキュメント管理者やアーカイブ責任者として働く専門の担当者を置く必要があります。
どのレコードをいつ、どのように保存するかを決める
どのバイタル レコードを保管すべきかは、チーム全体からの意見を聞きつつ、シニア レベルのスタッフを交えて決定しましょう。保存期間をどのくらいにするか、レコードのライフ サイクルが終了したときにどのように削除するかを決めておきます。ドキュメントの保存期間は、そのタイプによって異なります。たとえば、法人設立の届出書はずっと保管すべきものです。一方、給与明細書は一定の年数が経てば削除してかまいません。
電子的なレコード マネジメントのための予算
管理業務や人とのやり取りは、おそらく大半がデジタル形式のドキュメントでしょう。こうした記録を安全に保管するには、情報技術を活用する必要があります。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)モデルは、レコード マネジメントのソフトウェアを 1 回の出費で買い切るのではなく、毎月継続して支払うサブスクリプションです。こうした経費に備えて予算を確保しておいてください。
トレーニングと継続的な監視を準備する
企業内の誰もがレコードにアクセスできるようにしておく必要もあるかもしれません。そのため、企業内の信頼できる情報源として記録を整備しておく必要があります。こうしたことから、レコード マネジメント プログラムの一環として、アクセス方法や適切な利用方法についてチームにトレーニングを提供する必要があります。このシステムには、ビジネスにとって特に重要度の高いドキュメントが保管されることになるため、データ ガバナンスとレコード マネジメント ポリシーの導入が必要になります。また、不正使用や偶発的な削除が発生しないよう、デジタル レコードを中心にシステムを継続的に監視する必要もあります。監視することで、いつでもファイルの復元ができる体制となり、手遅れになる前に対策ができます。災害復旧計画についても検討しておくべきです。たとえば、企業活動がインターネット ウィルスの被害を受けてしまった場合に備えることができます。
その他の考慮事項
インフラ事業を行っている企業のバイタル レコードは、連邦情報について定めた情報自由法の対象になる場合があります。その場合、保存した記録の一部分を公的情報としてアクセス可能な状態にしなければなりません。組織でレコードキーピングを導入する際には、プロセスでこうした事態が発生することを考慮しておいてください。
企業のレコードキーピングに適したソリューションを選ぶ
適切なデジタル レコード マネジメント システムを導入することは、レコード マネジメント プロセスにとって非常に重要です。Dropbox は強力なファイル ストレージ ソリューションであり、レコード マネジメントにも最適です。ファイルを安全に保管するために必要なさまざまなツールが利用できるほか、ワークフローの全体や情報管理をスムーズにするための多数の機能も用意されています。また、簡単に使えるドキュメント スキャンにより紙の書類をデジタル アーカイブにすることもできます。高度なチーム管理機能、パスワード保護、特に機密性の高い情報への期限付きのアクセス、情報ガバナンスなども利用できます。加えて、エクステンデッド バージョン履歴のアドオンを使えば、ファイルを誤って編集、削除してしまった場合にも、最長 10 年間は復元できます。
Dropbox を使えば、レコードの安全を確保しつつ、権限のあるユーザーは引き続きコンテンツを閲覧しアクセスできる状態にできるので安心です。
上記の情報は、法的な助言を意図としたものではありません。法律に関する質問がある場合は、法律顧問に相談することをお勧めします。