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アイゼンハワー マトリックスとは?

アイゼンハワー マトリックスを使うと、タスクの優先順位を決定し、仕事量を管理しやすくなります。アイゼンハワー マトリックスとは、ドワイト D アイゼンハワー元アメリカ大統領が考案した戦略とテクニックに基づく時間管理方法です。

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アイゼンハワー マトリックスとは?

「成果を出したくない」と考える人はほとんどいません。それが仕事であればなおのことです。しかし日々の仕事を進め、やるべきことも増えてきて、急な依頼に対応するようになると、生産性へのコミットメントを果たすのは徐々に難しくなってきます。大事な期限に遅れそうなとき、または長期的なプロジェクトをスムーズに進められず苦労しているときに、タスクの優先順位の付け方を知っているかどうかで、巻き返せるか後手に回るかの行く末が分かれるのかもしれません。こうした状況で役立つのが、アイゼンハワー マトリックスです。

アイゼンハワー マトリックスを理解する

アイゼンハワー マトリックスは、タスクの優先順位付けや仕事量の管理に役立つシンプルなワークフローで、アイゼンハワーの法則、または緊急度重要度マトリックスとも呼ばれています。この手法は、アメリカ軍元帥であり第 34 代大統領のドワイト D アイゼンハワーにちなんで名付けられています。アイゼンハワーは業務遂行能力の高さでよく知られていて、そのため多くの人が彼の目標設定や時間管理の手法を詳しく研究しています。その 1 人に、スティーブン・コビー氏がいます。コビー氏は自著「7 つの習慣」の中で、アイゼンハワーのアプローチをタスクの優先順位付けを行うためのシンプルな手法としてまとめました。それが、アイゼンハワー マトリックスです。

では、アイゼンハワー マトリックスとはどういったものでしょうか?端的に言えば、アイゼンアワー大統領による次の言葉を実践するための戦略的ツールということになります。その言葉とは、「私には、急ぎの仕事と重要な仕事という 2 種類のやるべきことがある。しかし急ぎだからといって重要とは限らないし、重要な仕事だから急いで取り組むというわけでもない」というものです。ポイントはシンプルで、自分のタスクを緊急度と重要度の面から評価することです。

アイゼンハワーの法則の活用方法

企業でも個人でも、アイゼンハワー マトリックスを使って、毎日や毎週のタスクを計画、委任、優先順位付け、そしてスケジュール設定することができます。手持ちのタスクを下に示す 4 つの領域のいずれかに分類することで、そのタスクの緊急度や適切な取り組み方を判断できるようになります。

  • 第 1 領域:緊急かつ重要(すぐに完了すべきタスク)に分類される場合、それは可能な限り早く着手することが大事な「最優先タスク」です。よくあるケースとしては、不測の事態が発生したために期限の直前に舞い込む作業依頼などです。一般に、この種のタスクはすぐに片付けるか、その日のうちには終えておく必要があります。たとえば、病気で休んだ同僚の代理としてプロジェクトに参加する場合や、サプライ チェーンが途切れてしまうなど不測の緊急事態に対処する場合などです。

  • 第 2 領域:重要だが緊急ではない(スケジュールに入れておくべきタスク)に分類される場合、それは重要度の高い長期的な目標やタスクです。ただし、明確な期限が決まっているわけではないので、作業日をスケジュールに入れておいて後で取り組んでもかまいません。たとえば、業務で使う資格の取得のほか、予算の削減といった長期的なビジネス目標を計画する場合などが該当します。

  • 第 3 領域:緊急だが重要でない(他の人に委任すべきタスク)に分類される場合、それは急ぎではあるものの自分自身が取り組まなければならないほど重要度が高いタスクではありません。つまり、チーム内の他のメンバーに依頼できるということです。たとえば、定型的な作業や、明確な目的のない長時間の対面会議や電話会議などです。

  • 第 4 領域:緊急でもなく重要でもない(避けるべきタスク)に分類される場合、それはただの無駄であり、可能であれば避けたほうがよいでしょう。ほとんどの場合、この種のタスクは無視してしまうか、キャンセルしてかまいません。たとえば、社交的な活動や不必要に長いコーヒー ブレイクなどです。

簡単に言えば、アイゼンハワーの法則を活用することで、タスクを「重要度」と「緊急度」という尺度から視覚化できるようになります。こうした観点から作業負荷を考えるようになると、最も重要なタスクを優先的に取り組んで、なるべく早く完了するのがずっと簡単になります。

緊急度と重要度を区別する方法

優先度マトリックスを使うときに、緊急度と重要度を明確に区別できるような確実な方程式は存在しません。それでも、両者の違いについて考えてみるのはとても大切なことです。アイゼンハワーの法則を使って理論上では簡単に分類できたとしても、現実世界では緊急度と重要度という 2 つのカテゴリの境界線はずっと曖昧なものです。端的に言ってしまえば、緊急のタスクというのは避けることができず、すぐに対応が必要なものです。一方の重要なタスクとは、事前の計画が必要でそのタスクに取り組むことで長期的な目標に近づけるものを指します。たとえば、重要な顧客からかかってきた電話を取るのは「緊急」です。一方で、自分の分野の最新研究を追いかけておくことは、「重要」と言えます。

アイゼンハワー マトリックスを使うメリット

アイゼンハワーの重要度緊急度マトリックスのメリットとして大きなものは、導入の容易さです。高額なソフトウェア パッケージを購入する必要はありません。マトリックスを書き出すために長い時間を費やす必要もないのです。もっと一般的なこととしては、このマトリックスを使って明確でわかりやすい優先順位付けを行うことで、より効率的な時間管理ができるようになることです。管理職や責任あるポジションに就いている人にとっては特に効果的です。他にも、常に複数のプロジェクトやクライアントを抱えて作業をしているフリーランサーにも向いているでしょう。

アイゼンハワー マトリックスを使うデメリット

優先度マトリックスにもいくつかのデメリットがあります。最も大きなものは、多くの場合にタスクの重要度を正確に見積もることが難しい点です。たとえば、タスクを委任した相手が実は適任者ではなく、仕事の質を落としてしまうようなケースです。他にも、すでに急ぎの作業をしている場合に、別の緊急タスクが発生しても対応できないことがあるという点を心に留めておくことも大切です。知識や時間が不十分なとき、規制や官僚主義に縛られているとき、または「緊急かつ重要」のタスクがたくさんあるときは、アイゼンハワー マトリックスを使っても意思決定や時間管理の質はあまり向上しません。

タスクや作業量の管理にアイゼンハワーの法則を活用する方法

業務やプロジェクトの管理の入り口として、重要度緊急度マトリックスは最適かもしれません。タスクを適切な領域に分類したら、時間管理のプロセスを導入して重要な仕事を時間内に終えられるようにしましょう。たとえば Dropbox を使えば、To-do リストの管理をより効果的に行ったり、タイムライン テンプレートを作成したりできます。こうしたタスク管理ツールを使うことで、緊急だが重要ではないタスクをチーム内の他のメンバーに委任しやすくなります。同時に、重要だが緊急でないタスクについては期限とリマインダーを設定しておき、後で取り組むことができます。

また、業務を自動化するツールの導入を検討してみるのもよいでしょう。可能な範囲で、事前の計画や分析をあまり必要としないタスクを自動化によって処理するというのは理にかなっています。Dropbox の生産性向上アプリの自動化ツールやインテグレーションを活用すれば、第 3 領域(緊急だが重要でない)のタスクを効率的な方法で委任することができます。Dropbox Paper では、タスクをチーム メンバーに委任し、期限を設定できます。Dropbox ファイルを直接チーム メンバーの Trello カードに追加することも可能です。コンテンツの自動取得ツールを利用すれば、時間がかかり、ミスも起きやすく、ボトルネックになりがちなタスクを迅速に片付けることができます。このため、あなたもメンバーもより生産的な仕事に集中して取り組めるようになります。

それだけではありません。より大きな成果を生み出せるよう、アイゼンハワーの法則を他の時間管理術と組み合わせることも検討してください。たとえば、「Eat the Frog(カエルを食べてしまえ)」という考え方があります。この考え方は、マーク・トウェインが言った「もし君の仕事がカエルを食べることだとしたら、そんな仕事は朝一番に片付けてしまうに限る」という言葉に由来します。ビジネスの場面でこの言葉を解釈するなら、一番大きなタスクや手強いタスクから取り組んで、その後は期限などの他の要素に応じて優先順位付けできる小さなタスクを片付けていくのがよいということです。ほかにも、ABCDE メソッドというものがあります。タスクを書き出したら、そこに重要度順に A、B、C、D、E という文字を当てていきます。すべて書き出したら、最も重要な A のタスクから順に取りかかるという方法です。

まとめ

タスクと時間の管理手法としてアイゼンハワーの法則は大きな効果を発揮します。タスクを効果的に優先順位付けする方法を理解できれば、職場の効率性を高め、時間を浪費するような業務を排除して、長期的なビジネス目標に向かって着実に進めるようになります。