スキャナーはどんなときに必要か
最近はファイルやドキュメントの多くがデジタル化されていますが、文書のスキャンは今でも必要不可欠です。スキャンして保存しておきたい文書には、次のようなものがあります。
- プライベートな写真プリント
- 手書きのメモ
- 医療や金融関連の文書
- 個人用や仕事用の経費の領収書
- 契約書や請求書
- 写真や身分証明書
- 雑誌や新聞の切り抜き
- スケッチや青写真
スキャンによって手軽になった中で、特に広く利用されているのが写真のデジタル化です。たくさん撮影した家族の写真をデジタル化する場合、スマートフォンをほんの数回タップするだけで、プリントした写真を同じ画質のままデジタル フォト コレクションに保存できます。
最新のソリューションでは、懐かしい昔ながらの方法よりもはるかに速く、簡単な方法で文書をスキャンできます。
iPhone や Android で文書をスキャンする
パソコンへのスキャンは別として、外出先で仕事をしている場合や、おそらくそれほど頻繁には使わないスキャナーに散財したくない場合は、どうすればよいでしょうか。紙の文書をすばやくスキャンしてデジタル ファイルにするには、モバイル スキャンというシンプルでコスト効率の高い方法もあります。モバイル スキャンにより、機器を購入しなくてもスキャナーの利便性を活用できます。文書のページ順を揃えてコピー機に通さなくても、スマートフォンを使って写真を撮るだけで OK です。
文書を撮影する
スマートフォンのカメラ機能を使えば、手軽に文書を撮影できます。しかしこれは、とても簡単な方法である一方、いくつか欠点もあります。1 つは安全性に欠けることです。また撮影した写真はそのスマートフォンに保存されるので、複数のデバイスで使用するには手間がかかります。さらに、紙の文書をきれいに撮影するのは難しいという大きな問題もあります。何度も何度も撮影を繰り返し、時間を浪費する羽目になるかもしれません。
写真を撮影しスキャン アプリで処理する
普通の画像を高画質なスキャン ファイルに変換するには、文書スキャン アプリケーションを使うと便利です。変換したファイルは、PDF や PNG、JPG、tiff など必要に応じたファイル形式で保存、送信できます。この方法なら、印刷屋や図書館、職場に行かなくても、日常生活のさまざまな場面で文書のスキャンを活用できるようになります。この方法は新しい写真にも古い写真にも適用できます。
スキャン アプリでスキャンする
Dropbox のドキュメント スキャナー機能は、多機能で安全性に優れながら、通常のカメラ機能と同じくらい手軽に使えます。iPhone でアプリを開き、「+」（プラス記号）をタップしてスキャンを始めましょう。新たにスキャンしたファイルは Dropbox に保存されるので、iOS や Windows などの OS の種類を問わず、スマートフォンからでもパソコンからでもアクセスできます。またスキャンのやり直しも簡単なので、文書が山積みでも作業がスムーズです。使いやすい iPhone のバックアップ ソリューションを組み合わせれば、せっかくスキャンした文書の紛失や破損を心配する必要もありません。
OCR があるともっと便利に
OCR とは、Optical Character Recognition（光学文字認識）の略で、スキャンしたテキストを検索可能なテキスト データに変換する技術を指します。OCR の大きなメリットは、スキャンした文書の管理が簡単になることです。Dropbox のスキャナー アプリは OCR 機能を搭載しているので、Dropbox アカウントのキーワード検索機能を使って目的のスキャン文書を簡単に見つけ出すことができます。
たとえば、日付が印刷されている銀行取引明細書をアップロードしてある場合は、日付を検索するだけで、目的の文書がすぐに見つかります。書類を簡単に PDF に変換して、検索できるようにすることで、紙の文書をほぼなくすことができます。あるいは、ノート アプリの代わりに OCR 対応のスキャン アプリを使えば、ワンタップでスキャンするだけで、文書やメモを瞬時にデジタル化できます。
コピー機やプリンターで文書をスキャンする
専用のスキャン ボタンを備えるコピー機では、比較的簡単にスキャンができます。また一般的なプリンターは、スキャナーとしても機能します。最新のモデルでは、スキャンしたファイルを自分にメール送信することもできます。コピー機やプリンターの欠点は、たいてい高額であることです。コピーや印刷のサービスを利用する場合でも、たくさんのページをスキャンすればあっという間に費用がかさんでしまいます。また、たとえ自宅にコピー機やプリンターがあったとしても、作業には時間がかかって効率が悪いので、文書のスキャンに最適なソリューションとは言えません。
スキャンする手順はコピー機やプリンターの機種によって異なります。基本的な機種は、文書をスキャンして、接続されているパソコンのドキュメント フォルダに送る機能くらいしか備えていませんが、高機能な機種では、サイズやカラー/モノクロ、ファイル形式などを選択できます。中には、スキャン ファイルの送信先となるユーザーやメール アドレスを指定できるものもあります。コピー機からスキャン ファイルを送る際のファイル形式は PDF が一般的ですが、JPEG や PNG など他のファイル形式を選択できる場合もあります。
スキャナー専用機を使う
自宅にスキャナーがあれば、文書のスキャンも簡単です。スキャナー上の目印に従い、文書を右下または右上の隅に合わせて下向きでガラス面に置き、スキャン ボタンを押せばスキャンは完了です。機種によっては、スキャン ファイルをメールで送るか保存するかを選べる場合もあります。スキャン ファイルを Mac や Windows パソコンに保存する場合、一般的にはドキュメント フォルダに保存されます。機種によっては、ファイルのメール添付や PDF 送信ができない場合があります。この場合は、スキャンした文書をメールで送信したり PDF に変換したりといった作業も必要になります。
スキャンする内容によっては、完璧な結果を得るために設定をあれこれ変えてみる必要があるかもしれません。一般的な A4 サイズや B5 サイズの文書、モノクロの文書は比較的簡単にスキャンできますが、美術作品や写真をスキャンする場合は、サイズが大きすぎて全体をスキャンできないことや、色合わせの精度が低下することがあります。正しい解像度とカラー モードでスキャンできるよう、初期設定を変更しなければならない場合もあるでしょう。
スキャナー専用機を使用する欠点は、プリンターやコピー機と共通です。機種ごとにスキャンの方法が少しずつ違うので、フラストレーションを感じたり戸惑ったりする可能性があります。また自分用のパソコンを持っていない場合は、スキャン ファイルの管理や転送が面倒になるかもしれません。スキャナー専用機を所有すれば、その分余計なコストが発生することになりますが、サービスを利用する場合も時間と費用がかかる点は変わりありません。
高品質なスキャンを可能にするには
どのようなスキャン方法を選ぶ場合でも、くっきりと鮮明にスキャンするには、次のように文書が最適な状態であることを確認します。
- 文書にしわや折り目、変色がないこと
- 細部が消えかかっていないこと
- スマートフォンでスキャンするときは背景が煩雑ではないこと
- OCR 機能のないスキャナーを使用する場合は解像度にも注意（解像度の単位は 1 インチあたりのドット数を意味する DPI）
- 写真の場合は、最大 600 dpi の高解像度またはロスレス解像度を使用する
- シンプルなグレースケールの文書では、読みやすく、かつファイル サイズが小さい 300 dpi を使用する
- 解像度が 300 dpi 未満である場合、画面上では問題ないように見えても、後で印刷したときにぼやける場合がある
スキャンした文書の問題点はほとんどの画像編集ソフトウェアで修正できますが、その作業に多くの時間とお金がかかる場合もあります。
スキャン ファイルを保管する
スキャン ファイルを安全なクラウド ストレージに保管すれば、ハード ドライブ上でファイルが見つからなくなることも、誤って削除してしまうこともありません。銀行取引明細書のように、スキャンしてデジタル版を保管しておきたいパーソナルな文書にも、この方法は最適です。Dropbox はファイルの保護機能を備えており、自分だけがファイルにアクセスできるようにすることも、必要な人にだけアクセス権を付与することもできます。Dropbox を使えば、ファイル キャビネットの中身を丸ごとスマートフォンに収め、どこへでも持ち歩くことができます。