フリーランサーになると、1 人で何役もこなすことになります。本業の凄腕クリエイターとして仕事をするだけでなく、時には会計士になり、マーケティング担当者になり、カスタマー サービス担当者にもならなければなりません。こうした数ある重要な作業の 1 つが、取引先に請求書を送ることです。
では、それを最も効果的に行うにはどうすればよいのでしょうか?ここでは、プロとしての請求書をいつどのように送るべきかを、請求プロセスを効率化するツール、未払いの請求書にフォローアップする際のヒントとともにご紹介します。
請求書はいつ送るべきか?
請求書を取引先に送付するタイミングについては、いくつかの流派があります。作業の開始前に請求書を送る人もいれば、作業が終わってから送る人もいるでしょう。どちらのやり方にも固有のメリットがあります。
作業前:作業のために材料や道具、資料を購入する必要がある委託業務や 1 回限りのプロジェクト、または数回に分けて納品する長期のプロジェクトに適しています。キャッシュ フローに余裕がない場合や過去に支払いが遅延したことのある取引先が相手の場合は、一部の前払いをお願いしてもいいでしょう。
作業後:ほとんどのフリーランサーは、契約を果たした後、またはプロジェクトを完了した後すぐに請求書を送付しているでしょう。あるいは、取引先が納品物を確認できるよう、納品日から数日空けて請求書を送っている場合もあるかもしれません。継続的な案件の場合は、月に 1 回のペースで請求書を送付したほうが効率的です。この場合、安定した支払いが期待できるほか、取引先も請求書を処理しやすくなります。
まとめると、請求書をいつ送るべきかは、主に以下の 3 つの要因によって決まります。
- 提供する成果物やサービスの種類
- 自身の支払い条件や金銭的な必要性、経済状況
- 取引先との関係性
請求書の送付手段
請求書をいつ送付するかが決まったら、次はどうやって送るかを決めましょう。選択肢はいくつかあり、それぞれに長所と短所があります。
1. 郵便
メールやオンラインの請求サービスがあるのに、郵便で請求書を送るなんて時代遅れに感じられるかもしれません。ですが、郵便が適しているケースもまだあります。たとえば、取引先がメールやオンライン サービスを利用していない場合、または紙の書類で送るほうが安全であるような場合は、郵送が最適な選択肢になるでしょう。
請求書を郵送する場合は、オンラインでの請求や支払いに比べて時間がかかり、安全性に劣り、高コストになる可能性があることに注意してください。また郵便は間違いも起きがちです。個人でも法人でも取引先が移転することは珍しくないので、手元の宛先住所が最新であるとは限りませんし、そもそも宛先を書き間違えることもあり得ます。
2. メール
メールは、フリーランサーが請求書を送付する手段として最も広く使われています。手早く簡単で、利便性が高く、請求書が開封され閲覧されたかどうかを追跡するのも容易です。
請求書をメールで送るには、そのファイルを添付し、適切な件名を入力して、取引先に宛てて送信します。メールの本文に、「先日のプロジェクトの請求書を添付しましたので、ご確認をお願いいたします」などと簡単なメッセージを添えてもいいでしょう。
3. クラウド ストレージ
請求書の管理に Dropbox などのサービスを利用している場合は、リンクを送るだけで、自分のアカウントから直接、請求書を送付できます。この方法では、請求書の作成、管理、送付が 1 か所で完結するので作業が効率的です。
Dropbox で請求書を送付する方法
Dropbox では、請求書のテンプレートをアカウントにアップロードして、再利用可能で編集可能な PDF として利用できます。この PDF は、Dropbox から直接共有することも、シンプルなリンクを使って共有することもできます。
請求書を送付できるようになったら、「送信とトラッキング」などのドキュメント共有機能も利用してみましょう。「送信とトラッキング」を使うと、共有した請求書を取引先がどのように閲覧したかを追跡できます。この機能は、取引先が請求書を受け取って閲覧したことを確認したい場合に特に便利です。
また送信相手ごとに異なる共有設定をする、コンテンツに対するアクションを監視する、共有ファイルの閲覧動向を分析するといった作業を一元的なダッシュボードで行うこともできます。
請求書についてフォローアップする際のヒント
請求書を送付しても、合意した期日までに支払いを受けられなかった場合は、取引先にフォローアップする必要があるかもしれません。
未払いの請求書についてフォローアップする際のヒントを以下にまとめます。
- まずは電話で、請求書の送付先が適切な人物または部署であることを確認する
- 請求に対する支払いがない場合は、その期日にメールでリマインダーを送る
- 引き続き支払いがない場合は、書面を郵送するなど別の方法を試みる
- その際のコミュニケーションでは、丁寧さを保ちつつ毅然とした態度を示し、支払いが遅延した場合の結果(延滞金の発生や将来的なサービスの停止など)を明確にする
- 自分からのフォローアップ内容と相手からの応答をすべて記録し、より厳格な対応が必要になった場合に備える
- 取引先が支払いやすいよう、分割払いなど他の支払い方法の提示を検討する
- どれも効果がなかった場合は、弁護士への相談、または債権回収会社経由での督促を検討する
忘れないでいただきたいのは、どんなときでも、職業人としての振る舞いを忘れず、誠実に状況に対処するよう努めることです。事業を成功に導くためには、取引先と良好な関係を維持することが欠かせません。