テレワークで効果的に働く
多くの人は、テレワークで働くことを夢のように感じているかもしれません。何しろ、通勤が不要で、朝早く起きる必要がなく、服装も規則に縛られることがないのです。しかし、この自由でリラックスした働き方にもデメリットはあります。
在宅勤務で働くためには、意外かもしれませんが、ある種のスキルが必要です。自分自身とチームが最大限の生産性を発揮するために最適なバランスを見つける必要があります。つまり、9 時 2 分前に飛び起きるとか、1 日中パジャマで過ごすといったことをしていてはダメなのです。このようなちょっとしたことで自分を甘やかしていると、仕事に対する姿勢全般に悪影響を及ぼしかねません。テレワークの環境は人それぞれですが、集中して懸命に働く姿勢を忘れてはなりません。
現代のテレワークは、今までにない新しい働き方です。テレワークの場所は、自宅、公園、テラスなど、オフィス以外のあらゆる場所に及んでいます。それはカフェかもしれませんし、コワーキング スペースかもしれません。社内であっても、チームとは離れた別の場所で仕事をするという場合もあるでしょう。要するに、チーム メンバーと直接顔を合わせて仕事をしているのでなければ、それはテレワークであるということです。しかしこれをネガティブに捉える必要はありません。お互いが物理的にすぐそばにいなくても、チームとして密接にコラボレーションすることは十分に可能です。
テレワークは悪いことなのか
いいえ、決してそのようなことはありません。ただし多くの企業にとって、テレワークは一般的な働き方ではありませんし、それはフリーランサーの働き方だという見方も根強く残っています。なぜテレワークは、必ずしもポジティブな見方をされないのでしょうか?多くの企業はテレワークについて何らかの制限を設けていますが、それはおそらく、「これまで慣れ親しんできた働き方とは違う」という一点に起因しています。これまでの考え方では、オフィスに出社して 8 時間働くことこそが、生産性を発揮する有効な働き方でした。なぜそれを改める必要があるのか、という考えが背景にあるのです。
テレワークに反対する人々はさまざまな理由を口にします。もしあなたのチームでテレワークの可否を検討しているのなら、次に挙げる懸念とその解決策を参考にしてみてください。
懸念:オフィス外の人とはファイルを安全に共有できない
解決策:Dropbox のファイル共有機能を使えば、オフィス外の人とも安全にファイルを共有できます。アカウントとファイルは、複数のセキュリティ レイヤーによって安全に保護されます。2 段階認証など、不正アクセスを防止するための機能も用意されているほか、自身やチームの要件に合わせてセキュリティ設定を調整できます。また、デスクトップ アプリやウェブ、モバイル、リンクしたサードパーティ製アプリと、複数の手段でファイルにアクセスできるので、会社支給のパソコンを自由に使えない場合でも必要な作業ができます。
懸念:お互いの顔が見えなくなる
解決策:Zoom や Slack(どちらも Dropbox との連携に対応)、ビデオ会議、昔ながらの電話。たとえ同じ部屋にいなくても、チーム メンバーと連絡を取り合う手段はいくらでもあります。それに、集中して仕事をしているときや流れに乗って作業に没頭しているときには、そもそも話をあまりしないものです。テレワークを導入しているかどうかにかかわらず、インスタント メッセンジャーを各自のパソコンにインストールしておけば、オフィスを歩き回らなくても会話ができます。
懸念:安定したインターネット接続環境を確保できるとは限らない
解決策:自宅のインターネット環境がどれほど充実していても、Wi-Fi の電波状況に悩まされることは避けられません。そんなときに便利なのが、Dropbox のオフライン機能です。インターネット回線が途切れていても、接続が回復すればファイルは自動的に同期されるので、安心して作業を続けることができます。また自宅で仕事をするときに、電波状況を最優先にしなくて済むので、より快適な場所を作業場にできるというメリットもあります。
懸念:自己満足に陥ってしまう
解決策:これは、どんな職場のどんなチームにも起こりえます。仕事をする場所に関係なく、社員に強いモチベーションを与える鍵となるのは、確固たる企業文化と支援の仕組みです。もし上司が近くにいるときにしか真面目に仕事をしないメンバーがいるとしたら、それは職場の管理に失敗しているということです。それでは、小学校の子供たちと何ら変わりはありません。
チーム メンバーがモチベーションと意欲にあふれていたら、監視の目など必要ないはずです。監視が必要だとしたら、自分のしていることに十分な自信を持てておらず、それが作業の先送りにつながっている可能性があります。どこで仕事をするにしても、メンバーとのつながりを保ち、生産性向上のための適切なツールを提供し、それぞれの目標を明確にして、チームの勤労意欲を高めましょう。
テレワークためのヒント
テレワークを試してみたくなりましたか?では、テレワークを効果的に導入、実践するためのヒントをいくつかご紹介しましょう。
物事を急激に変えようとしない
まず、朝はこれまでと同じ時間に起きましょう。睡眠は心身の健康全般にとても大きな影響を与えるので、これまで午前 1~3 時だった就寝時間を午後 11 時に変えると、効果がてきめんに表れます。睡眠時間は最低でも 7~8 時間確保することを目指すとともに、朝寝坊をする誘惑に負けないようにしましょう。平日であるにもかかわらず、週末と同じような行動をし始めてしまうと、長年磨いてきた仕事のマインドセットから切り離され、重要な仕事の習慣が失われていきます。
服装に気を付ける
無理のない範囲で、仕事にふさわしい服装をするようにしましょう。最近では、多くの会社でカジュアルな服装が許されるようになっているので、ラフなジーンズとお気に入りの T シャツという格好からさらにリラックスしようとすると、後の選択肢はパジャマくらいしか残りません。パジャマは確かに気楽かもしれませんが、それでは「自宅」や「リラックス」など、「一生懸命働く」とはほど遠いイメージの衣服に身を包んで仕事をすることになります。適切な服装でないということは、しっかりとした仕事をする準備ができていないということです。実際に試してみれば、服装の違いがもたらす影響にびっくりすることでしょう。
通勤に相当する時間を作る
通勤を楽しんでいる人はあまりいないと思いますが、その時間は気持ちを切り替える重要な役割を果たしています。退屈な通勤電車や長時間のバス通勤は愉快なものではないとしても、仕事とプライベートを区別する明確な境界線になっているのです。テレワークのときも、頭を仕事モードに切り替えるための時間を作ってみましょう。たとえば、通勤中にいつも音楽を聴いているのであれば仕事前に 15 分だけを音楽を、本を読んでいるのなら 1 章だけ読書を楽しみましょう。集中して仕事に取り組むためには、精神的な準備も必要です。
新しいアプローチにチャレンジする
テレワークで特に苦労するのは、これまでのオフィスでの仕事の進め方をいかにして自宅に持ち込むかです。しかし、必ずしもこれまでと同じやり方を踏襲する必要はありません。チーム メンバーと話し合いながら、全員にとって最善の方法を見いだし、離れた場所にいてもこれまで以上に緊密に共同作業するための改善点を見つけましょう。また、全社規模でテレワークを実践しようとしている場合は、人事や経理などの基幹部門の担当者が全社員と簡単に連絡を取れるようにすることも大切です。会社全体で円滑にコミュニケーションを図れるように工夫しましょう。
体を動かす
テレワークに移行すると、駅からオフィスまでやデスクから休憩スペースまでの移動がいかに重要だったかに気付きます。自宅で仕事をしていても、できるだけ体を動かし、外出しましょう。オフィスに行く必要がなくなったからといって、外の世界がなくなったわけではありません。仕事の始まりと終わりには、通勤の代わりに散歩をしましょう。そうすると、頭がすっきりして仕事モードのオンとオフをうまく切り替えることができます。
テレワークがチームにもたらすメリット
たまにテレワークをすることには、メリットしかありません。テレワークがもたらす柔軟性、たとえば昼休みの時間帯に配管工事を頼めるとか、午後に地元の歯医者に予約を入れられるといったことは、社員の満足度を大幅に高め、よりよい企業文化の確立に貢献します。
またある調査によると、転職先に求める条件として、常時または一定の日数テレワークで働けることを重視する人は約半数に上っています。社員にテレワークを認め、適切なワークライフ バランスを実現できるように配慮することは、人材採用の面でも大きな意味があると言えるのです。