バーチャル ファースト | エフェクティブネス キット
仕事の集中力を高める
さまざまな通知やメッセージ、呼び出し音があふれる現代の仕事環境。チーム メンバーは世界各地に分散しており、複数のプロジェクトが同時進行しています。意識を向けるべき物事はあまりにも多く、もはや個人の努力だけで集中を保つことはできません。集中力を維持するにはチームでの取り組みが必要です。ここでは、集中して作業する必要がある場合に、その妨げとなる要因にうまく対処し、問題をできるだけ取り除き、気を取られないようにするためのプラクティスをご紹介します。
30 分 | パーソナル エクササイズ
ステップ 2:集中のための準備をする
じっくり考えるための場所や成果物を生み出すための時間が必要な場合は、邪魔が入らないよう環境を整えることが重要です。一度集中力を失うと、再び集中するには場合によって 20 分以上の時間が必要になるといわれており、それが 1 日に何度も繰り返されれば膨大な時間を失いかねません。チームと共同作業をする時間帯は、色んな作業を行き来してマルチタスクをこなすのが普通です。深い集中が必要な作業を始めるときは、あらかじめ次のような対策を講じておきましょう。
- スケジュールを厳守する:「集中タイム」を設け、その時間帯は連絡が付きにくいことをチーム メンバーに知らせておきましょう。
- 集中のための時間を 90 分確保する:研究によると、深く集中して作業するのに適した時間は 90 分であり、これ以上長くなると脳が短時間の休憩を求め始めます。
- 「不在」のメッセージを設定する:メールの自動応答やチャットのステータスを設定して、次にメッセージを確認する時間をチーム メンバーに知らせます。
- すべての通知をオフにする:メッセージの受信ボックスやチャット(Slack や Google Chat など)は閉じ、スマートフォンも集中モードに設定しましょう。大切な電話の予定がある場合は、その通知だけは受けられるように設定しておきます。
- 自分に打ち勝つ:ブラウザの拡張機能を使って、ソーシャル メディアなど貴重な時間を浪費するウェブサイトを閲覧できないように設定します(注:会社のセキュリティ ポリシーで拡張機能のダウンロードが禁止されていないかどうかをあらかじめ確認しておきましょう)。
- モバイル デバイスをミュートするか手の届かないところに置いておく:スマートフォンを手の届かない場所に置いておくだけで、意外なほど大きな効果を得られる場合があります。仕事でモバイル デバイスを使う必要がある場合は、通知やアラートをミュートしておきましょう。
- 視界に余計なものが入らないようにする:テレビや冷蔵庫の存在にたびたび集中を妨げられていませんか?BuzziScreen や Blu Dot のプライバシー パネルなどのパーティションを設置して、誘惑が目に入らないようにしましょう。
- 「入室禁止」の看板を掛ける:家族やルームメイトとの間で、部屋に入ってきてほしくないことを示す合図を決めておきましょう。
- BGM を工夫する:研究によると、歌詞がなくリズムが一定の音楽をかけると集中しやすくなるとされています。
ツールに関するヒント:
ステップ 3:メッセージを分散させない
メールやチャット、ダイレクト メッセージ、スレッド、共有ドキュメントのコメントなど、読む必要のあるメッセージがあちこちに散らばっていると、メッセージの確認自体が主な仕事に感じられてしまいます。各コミュニケーション ツールの効果的な使い方を共同作業相手と話し合っておくと、いつ、どのツールを確認すればよいか悩まずに済むようになります。
たとえば、「ドキュメントのコメントは修正を提案したり質問したりするときにだけ使い、やり取りが発生するディスカッションには使わない」、「メールは要約や計画に使う」、「チャットは調整や日々の進捗報告に使う」、などのルールが考えられます。どんなルールにするにしても、1 か所にまとめて、メンバー全員が閲覧して順守できるようにすることが大切です。
さらに一歩踏み込んで、コラボレーション コアタイム(リアルタイムでの共同作業のために確保する時間)以外の時間に行うコミュニケーションのルールを定めておくといいでしょう。チーム メンバーが複数のタイム ゾーンに分散しているかどうかに関係なく大切なのは、連絡の付く時間帯が不規則であったりまったくなかったりする場合に、チーム全員の足並みを揃える方法について皆で合意しておくことです。たとえば、進捗報告のための共有ドキュメントを用意する、コアタイム以外の時間に使用する専用のコミュニケーション手段を決めておく、などの方法があります。
これらの基準に基づいてチームで使うツールを見直し、問題解決のためのルールを定めましょう。
ステップ 4:ドキュメントを整理する
ドキュメントの運用でありがちなのは、スケジュール用、進捗管理用、議事録用に 1 つずつドキュメントが存在し、さらに成果物としてのドキュメントに複数のバージョンが存在する、というパターンです。加えて、コメント用のドキュメントを作成している場合もあるでしょう。
ドキュメント整理のためのプラクティスを実践すると、チーム全体で大切な作業に集中できるようになり、生産的でない作業に日々の時間を浪費することがなくなります。最適なドキュメント管理の方法はチームによってさまざまですが、以下のヒントを実践すると、ドキュメントを整理された状態に保ちやすくなります。
- 関連するすべてのドキュメントを保存するためのファイリング システムやリポジトリをプロジェクトごとに構築する。
- コメントは、長期間放置されたり混乱を招いたりすることのないよう、適宜解決する。
- 明確で一貫性のあるドキュメント命名規則を採用する(使用中のドキュメントがわかるように日付を含めるなど)。
- 古いドキュメントをアーカイブするためのプロセスを策定する。
ステップ 5:休憩を取る
1 日を通じて随時休憩を取ることは、皆さんが思う以上に重要です。休憩は、集中力や精神、気分、身体の健康に大きな影響を与えます。在宅勤務でデスクに向かったまま仕事を続けていると、脳は絶えず刺激を受けた状態になりますが、やがて集中力は失われ、身体はエンストを起こしたようになってしまいます。皮肉なことに、目の前の仕事に一生懸命になればなるほど、生産性は低下していくのです。
ほんの 5 分デスクから離れるだけでも、集中力の回復に効果があります。必要を感じる前に休憩を取れば、集中力だけでなく記憶力もアップし、より多くの情報を保持して記憶から取り出せるようになります。また休憩は「決断疲れ」を防ぐのにも効果的です。議論と決断の間の時間を長くすれば、そのぶんだけ的確で賢明な判断を下すことができるでしょう。
とにかく忙しすぎて休憩を取る暇がないのなら、せめて別の作業に切り替えるようにしてみましょう。1 日を通じて集中の対象を変えながら仕事をすると、より長く集中力を維持できることが実証されています。
休憩がもたらす主なメリット:
- 生産性の向上
- 仕事への満足度向上
- 心の平穏、安心感、自分は評価されているという感覚
- 集中力の回復
- 創造性の向上
- 学習能力と理解力の向上
- 記憶を想起し固定する能力の向上
- 疲労の軽減
- 身体能力の向上
3 つの成功法則
習慣化する
- 明日:集中の妨げになる主な要因を確認する
- 来週:チーム メンバーと相談してツールとドキュメントに関するルールを設ける
- 四半期ごと:改善が見られた点と改善の余地がある点を確認する