翻訳業を営むフリーランサーにとって、きちんとした内容の請求書を作成することには、日常的な事務作業以上の意味があります。取引先との関係を強化する大切な機会になるからです。
請求書は取引の記録であり、フリーランサーと取引先の間で透明性と明確性を確保するためのものです。支払い期日や受付可能な支払い方法といった支払い条件の概要を示すとともに、フリーランス翻訳者が取引先との関係においてプロらしさを強調する手段になります。また、提供したサービスの内容や合意した報酬の金額が明記された請求書は、紛争を防ぐ役割も果たします。
このガイドでは、プロの翻訳サービスで請求書を作成、送付、管理する際の主な考慮事項について説明します。経験豊富なベテラン翻訳者でも、業界に参入したばかりの新人翻訳者でも、請求プロセスを効率化してフリーランス翻訳業を拡大するのに役立つ内容となっています。
翻訳サービスの請求書に記載すべき項目
請求の基本的な方法はどのような分野でも変わりませんが、翻訳サービスの場合、狭義の翻訳に加え通訳でも同様の方法で請求できます。翻訳サービスの請求書を作成する際には、以下の項目が必須になります。
自分自身についての情報
- 屋号と住所
- 連絡先情報(メール アドレスや電話番号など)
- 固有の個人識別番号
- 税コード
- 固有の請求書番号
取引先についての情報
- 取引先の氏名または会社名と住所
- 取引先の連絡先情報(メール アドレスや電話番号など)
- 取引先の発注番号または委託参照番号(ある場合)
翻訳サービスについての情報
自身が提供した翻訳サービスについての詳細情報を記載します。以下のように、料金に影響する可能性のある項目はすべて記載しましょう。
- ワード数
- 翻訳対象の言語ペア(日本語からフランス語、日本語からスペイン語、またはその反対など)
- 翻訳以外に提供したサービス(校正や編集など)
- ファイル形式に関する取引先の要望やファイル変換に伴う追加料金
- 特急サービスの料金
- 専門的な内容かどうか(難易度に基づく)
- 記載の価格および料金に含まれる改訂料金(追加の改訂が発生した場合)
- 翻訳成果物の納品方法(メール、クラウド ストレージ、Dropbox からのダウンロードなど)
以上に加え、各サービスについて発生した費用の内訳項目を明確かつ詳細に記載しておくといいでしょう。翻訳プロジェクトあたり、ワードあたり、時間あたりの費用を含める場合もあります。
支払い条件についての情報
- 請求日
- 請求額の小計
- 取引先の使用通貨での合計(必要な場合)
- 消費税などの適用税
- 請求金額の合計
- その他の支払い条件(支払い期日や遅延した場合のペナルティ、損害金など)
- 支払い方法に関する指定(銀行口座への直接振り込み、クレジット カード払い、PayPal をはじめとするオンライン決済など)
さらに、請求書の最後に丁寧かつ真摯な謝意を添えて、お礼の気持ちを示すのもいいかもしれません。
Dropbox を利用してフリーランス翻訳サービスの請求書を管理する方法
請求書をメールに添付して手作業で送付している場合は、Dropbox を使うと、請求書を効率よく保存、整理、送付できます。
Dropbox のすべての機能を 1 か所で利用できるので、PDF 形式の請求書テンプレートの編集や共有したファイルへのパスワード設定などの機能で、フリーランス翻訳者としてのさまざまな日常業務を効率化できます。
Dropbox に保存したファイルは、普段使っているすべてのデバイスに超高速で同期されるので、どのデバイスを使用していても、Dropbox アカウントから直接、手早く請求書にアクセスして共有できます。また、ファイル共有の監視と分析など高度なファイル送信機能が必要な場合は、「送信とトラッキング」機能で請求書を送付しましょう。
Dropbox で翻訳サービスの請求書を管理
Dropbox のプロ向けツールを効率的な請求書発行に活用して、フリーランサーの翻訳業務を管理しましょう。
Dropbox を、請求書を保存、編集、共有する一元的な場所として利用すれば、請求書の作成、編集、送付プロセスをスピードアップできます。プロらしくきちんとした内容の請求書をほんの数分で作成、共有できるので、納品物に対する支払いもスムーズに受けられます。