アイデアから圧倒的なマルチメディア体験を生み出す

Semi Permanent のマレー・ベル氏とチームのメンバーは、画期的なアイデアを実世界のイベントとして具現化することに取り組んでいます。世界中の共同作業相手から寄せられたアーティスティックな構想が、どのようにして同社史上最も野心的なプロジェクト「A Semi Permanent Hotel presented by Highsnobiety」に昇華されたのか。その様子を動画でご覧ください。

世界中のアーティストによる作品が描かれたポスター
Semi Permanent が世界中の共同作業相手やパートナー、アーティストとどのように協力して独自のイベントを作り上げたかを動画でご紹介します。

Semi Permanent 創設者/エグゼクティブ クリエイティブ ディレクター マレー・ベル氏

創設から 19 年を経た今の弊社を一言で説明するならば、「エクスペリエンス カンパニー」という表現がぴったりだと思います。私たちはイベント会社ではありませんし、ブランド スタジオでも広告代理店でもタレント事務所でもありません。これらの要素を少しずつ兼ね備えているのが弊社です。

私たちは、デザインと名の付くあらゆる分野に携わっており、特定のメディアに縛られることのないエクスペリエンスを作り出しています。その舞台は、オリンピック東京 2020 大会のスポーツ イベントやクリエイティブ フェスティバル、Google が世界規模で展開する多様性と包摂性に関するプログラム、Radiohead の最新アルバムのリリース キャンペーンなど、多岐にわたります。

現在の弊社は、業界でもユニークな地位を確立しています。私たちは、パートナーや共同作業相手の「ドリーム リスト」に名を連ねるクライアントからしか仕事を請け負っていません。当然これは、クライアントからの期待がかつてないほど高くなることを意味します。魅力的な企業の目を引くためには、極めて高い水準で仕事をすることが必要です。鋭い視点を持ち、効率的に動き、整然と活動できなければなりません。

Semi Permanent のシドニー オフィスの入口に立つマレー・ベル氏

弊社は、自ら確立したブランドを守ろうとする意識が非常に強いアーティストとも仕事をしています。このタイプのクライアントとの仕事では、社外に出すあらゆるコンテンツを特に厳密に管理しなければなりません。そのため弊社では、Dropbox を利用して水をも漏らさぬ体制を構築しています。

Dropbox をいつ使い始めたのか、正確な時期は覚えていませんが、Semi Permanent の立ち上げ後間もなくだったと思います。使い始めてすぐなじむことができ、他の選択肢を探すことはまったく頭に浮かびませんでした。デザイナーとして全体的な様式が気に入っていますし、とにかく直感的に使えて美しくシンプルである点が優れていると感じました。

頭の中にあるクリエイティブなアイデアを伝える

異なるタイムゾーンで働く相手との間で、物事を整理された状態に保ちつつ、共同作業を行うのは簡単ではありません。弊社の本拠はシドニーにありますが、オークランド、ロサンゼルス、シンガポール、ドバイ、リスボンと、拠点は世界各地に点在しています。クライアントが求める高い基準に応えるため、業務体制の見直しを迫られたところで、すべての作業を Dropbox に集約することを決断しました。まず、デザイン ファイルを Dropbox に保存するところから始め、Dropbox Paper の導入に合わせてワークフローの変更に取りかかりました。

可能な限りメールを使うのをやめ、クリエイティブな作業には Paper を使用しています。

社外のアーティストと共同作業するチームが Paper を気に入っているのは、伝えようとしているイメージやフィーリングを視覚的に表現できる点です。社内の作業では、Paper のタスク、締め切り、コメントの機能を使ってプロジェクトを管理しています。Asana など専用のプロジェクト管理システムを導入しようとしたこともありましたが、社員にはあまり使ってもらえませんでした。Asana を使う場合は、タスクを作って Dropbox ファイルへのリンクを張っていたのですが、それならすべてを Paper で管理するほうがスムーズですし、合理的だったのです。

「頭の中のアイデアを他の人に伝えるという作業を、Dropbox ほど簡単にできるプラットフォームはありません。」

​​スマートフォンで通話をするマレー・ベル氏

私の場合、アイデアを生み出すことには苦労していません。大変なのは、私やチーム メンバーの頭に浮かんだクリエイティブなアイデアをきちんとイメージどおりにドキュメントに表現することです。

Paper では、視覚的な要素や音声を使えるだけでなく、複雑な構成のメッセージを作ることもできます。階層構造を作ることができるので、メッセージを明確に、正確に伝えることが可能です。また、映像の特定のフレームを抜き出し、タグ付けしてコメントし、それをまとめて Paper ファイルにして、次の編集作業に利用できる点も気に入っています。

Polestar LCA のインスタレーション ロビーと、ヴィッキ・リー氏がチェロ奏者の横で大きなキャンバスに絵を描く様子

Semi Permanent と Highsnobiety のコラボレーション:ホテルをジャック

ホテル全体をジャックして圧倒的な体験を作り出すという、私たちが自ら発案したアイデアにも取り組みました。大規模イベントなら 5,000 人を集めることができますが、ホテルの一室に入れるのはせいぜい 5 人程度。その体験を同じように魅力あふれる刺激的なものにするには、どうすればよいでしょうか?完全なメディア企業になるのは、私たちの目指すところではありません。そこで、お気に入りのメディア パートナーに協力を依頼することにしました。Highsnobiety がその相手です。

私たちは、シドニーにあるパラマウント ハウス ホテルを 2 日間借り切り、大人のための遊び場に変貌させました。多様な経歴を持つ世界中のアーティストの力を借りて、客室や共用スペースを、圧倒的な体験ができる場所へと作り替えたのです。アーティストたちには、それぞれ担当の空間を割り当て、未来に向けたビジョンを提示してほしいと依頼しました。

ホワイトボードで作業している様子と、ノート パソコンの Dropbox でホテルの略式図を表示している様子

Semi Permanent 史上最も野心的なプロジェクトのプロセス

すり合わせ

まずは、Semi Permanent と Highsnobiety の両者が互いを理解するところから始めました。私たちは、彼らのブランド、審美眼、野心、細部へのこだわりに魅力を感じています。この最初の数日間では、両者のプロセスとブランドをすり合わせることに専念しました。

アーティスト選び

イベント自体を計画するにあたっては、まずアーティスト選びと場所の確保の検討から始めました。部屋はいくつ必要か、アーティストは何人必要か、期間はどれくらいか、といったことです。次にデザイン フェーズに入り、具体的にどのようなイメージにするかを検討しました。初期段階では、私はよくイベントをポスターになぞらえて考えます。人々がソーシャル メディアやウェブサイトで目にするイメージはどのようなものかを考えるのです。こうした中心的なアイデアが思い浮かびさえすれば、その外堀を埋めていくのは難しい作業ではありません。

デザイン

エクスペリエンス デザインで私が最も好きなのは次のフェーズ、つまり参加者がその体験プロセスの中で触れる一つひとつのタッチ ポイントを考えることです。参加者が最初に目にする色は何色か?最初に感じるのはどんなことか?最初に決断するのはどのようなことか?こうしたことを判断していきます。

パートナーの決定

イベントの方向性を決定し、イメージをつかむことができたら、志を同じくする共同作業相手へのアプローチを始めます。候補は、パートナーやアーティストのお気に入りリストから選びます。相手から「イエス」の返事をもらうことができれば、さらなる自信と勢いをもっていよいよ制作に入ります。

制作

この複雑なプロセスの中でも、特に細やかな対応が求められるのが制作フェーズです。Dropbox は、このフェーズで必要となる優れた柔軟性とモビリティを備えています。デザインはこのフェーズでカタチとなり、直感的なエクスペリエンスが得られるまで継続的に試行錯誤が行われます。イベントの参加者がかすかなヒントを手がかりに空間を体験し、少しでもクリエイターとの一体感を感じることができれば、イベントは成功です。

サバイバリストの掩蔽壕に変えられた Collider の部屋と、クラウディア・チンイェレ・アコーレ氏による青と赤の風変わりなイラスト

成長と進化を続ける

私が将来について楽しみに思っていることは、過去 1 年間で成長を遂げた弊社の存在感がこの分野で多少なりとも高まっているという点です。敬愛するクライアントと仕事することができるようになり、今はその関係をさらに深めることに重点を置いています。私たちは、これからも進化を遂げていかなければなりません。もっと柔軟に、もっと俊敏に、もっとオープンになることで、私たち自身が体験したいと思うエクスペリエンスを生み出せるようになるはずです。