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導入事例

東急建設株式会社

 


ファイルサーバー上の膨大なデータを Dropbox に統合

社内はもとより社外のステークホルダーとも自由かつ安全に情報連携できる新たな基盤を構築

(写真左から)
東急建設株式会社 経営戦略本部
コーポレートデジタル推進部
次長 志田 広毅 氏
インフラ・セキュリティグループ 専門部長 吉村 典之 氏
インフラ・セキュリティグループ 宮井 航 氏
インフラ・セキュリティグループ 瀬戸 健太 氏

 

Windows 標準のエクスプローラーを使ってクラウド上のフォルダやファイルを操作できる、エンドユーザーにとっての使い勝手の良さが Dropbox 導入の決め手となりました。

Dropbox 導入の主な効果

  • 容量無制限※1 という特長を生かし、3D CAD の設計データ、写真、 契約書など、工事で発生する 140 TB を超える膨大なデータを一元管理
  • 社内はもとよりジョイントベンチャー(JV)や協力会社、施主、設計事務所など社外のステークホルダーとも自由な情報連携を実現
  • メールに依存した非効率かつセキュリティリスクの高いファイルのやりとりを回避して、安全にファイル共有

抱えていた課題

社内外の相手と自由かつ安全に情報連携できる新たな仕組みづくり

 

東急グループの総合建設業(ゼネコン)である東急建設。渋谷駅前をはじめ東急沿線の都市開発でも強みを発揮しており、2021 年 3 月には「0 へ挑み、0 から挑み、環境と感動を未来へ建て続ける」というメッセージを掲げた企業ビジョン「VISION2030」を策定するに至りました。世界的に関心が高まっている SDGs を新たな事業機会と捉え、3 つの提供価値(脱炭素、廃棄物ゼロ、防災・減災)を経営戦略の軸とするものです。

東急建設 経営戦略本部 経営戦略本部コーポレートデジタル推進部 次長の志田広毅氏は、
「人材とデジタル技術による圧倒的なスピードを競争優位の源泉と定め、このビジョンへの共感を醸成し、従業員エンゲージメントを高めることで、新たな企業価値を創造していくことを目指します」
と話します。

そんな東急建設が推進している施策の 1 つが、社内はもとよりジョイントベンチャー(JV)各社や協力会社、施主、設計事務所など社外のステークホルダーとも自由かつ安全に情報連携できる新たな仕組みづくりです。

情報連携の核となる既存のファイルサーバーは、共有ストレージを用いた全社ファイルサーバー、全国約 330 カ所の建設現場ごとに設置された NAS(Network Attached Storage)ベースの作業所ファイルサーバー、文書管理システム用ファイルサーバーに分散しており、上述の要件を満たすことが困難となっていました。

東急建設 経営戦略本部 コーポレートデジタル推進部 インフラ・セキュリティグループ 専門部長の吉村典之氏は、そこで抱えていた課題を次のように語ります。

「ファイルサーバーで保有するデータ総量は増加の一途をたどっており、保有コストが急騰していました。また社内と社外で情報共有の仕組みが異なり、二重管理となっていたことも問題でした。特に社外の相手と情報共有する際には大容量ファイル転送システムを利用した煩雑な手順を踏まなければならず、結果としてメールに依存した非効率かつセキュリティ上でもリスクの高いファイルのやりとりが蔓延していました」

ソリューション

既存ファイルサーバーに分散している約 140TB の膨大なデータを Dropbox に統合

 

上記の課題を解決するため東急建設は、「容量無制限のクラウドストレージを導入し、既存の全社ファイルサーバー、作業所ファイルサーバーおよび文書管理用ファイルサーバーを移行する」(志田氏)ことを決定しました。

併せてこの背景には、「クラウド化により事業継続性を強化し、バリューチェーンの高度化を支えるデータ活用基盤を整備することで、本格化するデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応も容易になる」(志田氏)という狙いもありました。

そしてこの基本方針に基づいて、世にあまたあるクラウドストレージの中から選定したのが Dropbox です。

「従来と同等以上の操作性や応答性を確保できるか、社外連携は安全かつ容易に行えるか、データを安全に預けられるかといった観点から比較検討を行った結果、トータルに要求を満たしていたのが Dropboxでした。さらにフォルダごとにアクセス権限を設定できるチームフォルダに加え、ブラウザだけでなく Windows 標準のエクスプローラーを使ってクラウド上のフォルダやファイルを操作できる、エンドユーザーにとっての使い勝手の良さが決め手となりました」
と吉村氏は話します。

もっとも Dropbox への移行にも懸念がなかったわけではありません。東急建設は前述した 3 種のファイルサーバーのうち、まず全社ファイルサーバーから Dropbox への移行を進めることにしましたが、それでもデータ容量は約 140TB に及びます。自力の手作業でデータ移行を行ったのでは毎週 1TB 程度が限界で、計算上ではすべてのデータの移行を終えるまでに 2 ~ 3 年を費やしてしまうことになります。

当然、そのような長い期間をかけるわけにはいきません。そこで東急建設から相談を持ち掛けられた Dropbox はデータ移行パートナーとの協業により、移行スケジュールの大幅な短縮を実現したのです。

「全社ファイルサーバーの精緻なアセスメントを実施したうえで、専用の移行ツールを適用することで最短 7カ月のスケジュールを提示してくれました。実際に移行作業は当初予定どおり 2021 年4 月から 10 月までの期間内で、特に支障をきたすこともなく無事に完了することができました」
と志田氏は話します。

結果

競争優位を確立するための源泉としてDropbox のさらなる活用を推進

 

2021 年 11 月 1 日に Dropbox をベースとする情報共有基盤のサービスを開始した東急建設は、エンドユーザーに向けた普及・啓蒙活動を推進中です。

東急建設 経営戦略本部 コーポレートデジタル推進部 インフラ・セキュリティグループ の宮井航氏は、「Dropbox から提供されたマニュアルをもとに社内向けのマニュアルや動画コンテンツを作成し、各業務部門に展開しています。また多くのユーザーから問い合わせを受けた操作方法に関しては、基礎編と応用編のリアルな講習会を開催し、デモを交えた説明や質疑応答などフォローアップを行っています」と話します。

続けて東急建設 経営戦略本部 コーポレートデジタル推進部 インフラ・セキュリティグループの瀬戸健太氏は、「Dropbox は Web 会議やチャットを通じて気軽に質問に対応してくれるほか、高レベルな技術上の問題についても手厚いサポート体制を整えていただいており、私たちインフラチーム自身も日々の技術習得に努めています」と話します。

さらに東急建設では引き続き作業所ファイルサーバーや文書管理用サーバーからのデータ移行も控えていますが、「DX 戦略の一環として構築を予定しているデジタルプラットフォームにおいても、 Dropboxを有効に活用していきたいと考えています」
と志田氏は語っており、当初からの目標である社内および社外のステークホルダーとのより柔軟かつ安全なコラボレーションの活性化を目指しています。

 

※1 Advanced プランでは必要に応じてストレージ容量を無制限に追加可能

 

 

DX 戦略の一環として構築を予定しているデジタルプラットフォームにおいても、Dropbox を有効に活用していきたいと考えています

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