ソリューション
既存ファイルサーバーに分散している約 140TB の膨大なデータを Dropbox に統合
上記の課題を解決するため東急建設は、「容量無制限のクラウドストレージを導入し、既存の全社ファイルサーバー、作業所ファイルサーバーおよび文書管理用ファイルサーバーを移行する」(志田氏)ことを決定しました。
併せてこの背景には、「クラウド化により事業継続性を強化し、バリューチェーンの高度化を支えるデータ活用基盤を整備することで、本格化するデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応も容易になる」(志田氏)という狙いもありました。
そしてこの基本方針に基づいて、世にあまたあるクラウドストレージの中から選定したのが Dropbox です。
「従来と同等以上の操作性や応答性を確保できるか、社外連携は安全かつ容易に行えるか、データを安全に預けられるかといった観点から比較検討を行った結果、トータルに要求を満たしていたのが Dropboxでした。さらにフォルダごとにアクセス権限を設定できるチームフォルダに加え、ブラウザだけでなく Windows 標準のエクスプローラーを使ってクラウド上のフォルダやファイルを操作できる、エンドユーザーにとっての使い勝手の良さが決め手となりました」
と吉村氏は話します。
もっとも Dropbox への移行にも懸念がなかったわけではありません。東急建設は前述した 3 種のファイルサーバーのうち、まず全社ファイルサーバーから Dropbox への移行を進めることにしましたが、それでもデータ容量は約 140TB に及びます。自力の手作業でデータ移行を行ったのでは毎週 1TB 程度が限界で、計算上ではすべてのデータの移行を終えるまでに 2 ~ 3 年を費やしてしまうことになります。
当然、そのような長い期間をかけるわけにはいきません。そこで東急建設から相談を持ち掛けられた Dropbox はデータ移行パートナーとの協業により、移行スケジュールの大幅な短縮を実現したのです。
「全社ファイルサーバーの精緻なアセスメントを実施したうえで、専用の移行ツールを適用することで最短 7カ月のスケジュールを提示してくれました。実際に移行作業は当初予定どおり 2021 年4 月から 10 月までの期間内で、特に支障をきたすこともなく無事に完了することができました」
と志田氏は話します。