結果
数日かかっていたファイル復旧作業をわずか 5 分程度で行えるように
正式導入後は全社員に Dropbox のアカウントを配布し、データを Dropbox に移行。現在は一部の特殊なデータを除き、他者と共有したいデータはすべて Dropbox 上に保管することを標準ルールにしています。また部門・職責ごとのアクセス権限設定が容易になったことを受け、フォルダの作成・利用にかかわるルールも再整備しました。
導入後、期待していた効果はすぐに表れています。
「『誤ってファイルを削除してしまったので復旧してほしい』という要望は月に数件程度ありますが、5 分程度で復元できます。そのほか、簡単な復元作業は現場社員に任せられるようにもなりました」(堀尾氏)
また、ファイルの一括移動などの不自然な挙動があった場合は、管理者に即座に通知が飛びます。誤操作から対応・復旧までの期間短縮が図れているほか、「ありがちな誤操作」を社内に周知し、未然に防ぐといった取り組みにもつなげています。
そのほかの運用管理工数も削減できました。アクセス権限の付け替え、新入社員へのアカウント発行/退職者のアカウント削除といった作業は、すべて管理画面上で一元的に行えます。また当然、クラウド移行によってハードウエア機器の管理・更新も不要になっています。
さらに、Dropbox 移行後に新たに可能になったこともあります。一例が動画や写真データの保管です。機器のメンテナンスなどを行う際は、現場担当者が撮影した動画や写真を証跡として保管しています。これをオンプレミスのファイルサーバーに保管すると、すぐに容量が一杯になって増設が必要になるため、従来は別の方法で保管・管理する運用にしていました。
「Dropbox は実質的に容量無制限のため、動画や写真も気にせず保管できます。また共有フォルダ機能や Dropbox Transfer を使えば、大容量ファイルも簡単に社内外と共有できます。業務上のコミュニケーションも促進されているようです」と堀尾氏は言います。
今後は Dropbox のより幅広い活用に向けて舵を切っていく方針です。例えば、Dropbox Paper を用いたタスク管理。現在は総務部のみが使っているこの機能を、製品開発プロジェクトの進捗管理などにも広げることで、生産性向上につなげたい狙いです。
「現在は社員が手作業で行っているファイル保管などのプロセスを、API 連携で自動化するアイデアがあります。さらに、最近注目しているのが『Dropbox Capture』です。画面キャプチャを基に動画や資料を作成できるこの機能は、社員教育ツールとして活用できそうです。ほかにも Dropbox は多彩な機能を備えているので、より大きな効果を引き出せるような使い方を考えていきたいですね」
と堀尾氏は抱負を語ります。
重要データの保管場所から、より広範なビジネスに欠かせない基盤へ⸺。
Dropbox の活用拡大と連動して、イハラ製作所のビジネスはますます飛躍していくことでしょう。